「リスク」を補うのは安全策ではなく、ビッグプレー
PIRATESファンの皆様、いつも応援ありがとうございます。
2022年、リーグ編成が変わり、私達の所属するX1Areaはレギュラーシーズンだけで7試合、入替戦まで含めると8試合となり、2021年と比べ、2試合も多く戦うことになりました。
長いシーズンを戦い抜くためには何より選手の補強が大事。その中で13名の新人選手、9名の移籍選手がPIRATESに加わってくれました。彼らの活躍なしに入れ替え戦出場はなし得ませんでした。改めてPIRATESファミリーに加わってくれたことに感謝を伝えたいです。
選手たちの頑張りのおかげで、X1Area2位まで勝ち上がり、昇格をかけた入替戦出場にこぎつけましたが、9対14で敗退。目標としてたX1Super昇格には届きませんでした。ファンの皆様の応援に結果をもって恩返しすることができず、申し訳ありませんでした。
昇格を掴み取れなかった原因は様々ですが、フィールドに限った話で言えば、「リスク」を上手くコントロールできなかったことが敗因だったと感じています。
オフェンスはシーズンを通してですが、RB柴田建人(日本大学卒)が素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた一方で、ロングパスなどでフィールドを広く使うプレーができず、効果的な攻撃を展開することができませんでした。
ディフェンスではQBにプレッシャーをかけきれずに、福岡SUNSのWR2人にロングパスでTDを献上してしまいました。
また、インターセプトやQBサックというビッグプレーも0に終わり、パイレーツディフェンスの良さをお見せすることなく終わってしまいました。
フットボールにはリスクがつきものです。そのリスクを補うのは安全策ではなく、ビッグプレーを起こすことだと私は考えています。今のPIRATESにはビッグプレーを生み出せる選手がたくさんいます。今年のPIRATESは私を含めたコーチ陣が選手たちの特徴を把握し、ベストなパフォーマンスを発揮できるような戦略を考案すればX1Area優勝、X1Super昇格を果たせると確信しています。
オフェンスは2名コーディネーター布陣で再出発
今年のPIRATESはコーチ陣営が変わっています。去年まで東京ガスクリエイターズでオフェンスコーディネーターをしていた八尾祐輝(日本大学卒)を新たにオフェンスコーディネーターに据える布陣で、ランユニットコーディネーターに林将大(関西学院大学卒)が着任。オフェンス全体とパスを八尾、ランを林が指揮する2名体制となりました。また、昨年までノジマ相模原ライズでプレーしていたRB若島慎兵(東京学芸大学卒)が3年ぶりに選手兼オフェンスアシスタントコーチとしてPIRATESに復帰しました。X1Super強豪チームでのスタンダードを持ち込み、スタンダードアップしてくれることに期待しています。
ディフェンスは引き続き、私が指揮しますが、キッキングにはアシスタントコーチとして昨年まで選手としてプレーしていた林本直也(関西学院大学卒)が着任し、より強固な布陣ができていると自負しています。
既存の価値観にとらわれないチーム作り
今年のPIRATESは「フィジカルスタンダードアップ」を命題としています。そのために必要なことは選手各々の個人の取り組みです。平日仕事をこなす社会人チームである私達は、どう転ぼうが共に練習する時間より個人の取り組みに時間を割くことになります。自らを律し、自ら考えて、能動的に成長を求める選手がPIRATESには揃っています。フィジカルの向上に限った話で言えば、各々が個人の取り組みにフォーカスし、チーム練習を絞ることで集中力を高めることで、最大効率で成長できると考えています。そのため、今春はチーム練習を週に1回とし、個人の取り組みにフォーカスしつつ、毎回の練習にフレッシュな体・気持ちで臨める取り組みとしました。
自主性にフォーカスしていることは新しい組織作りの醸成にも繋がります。技術の発達により、様々な価値観と触れ合うことのできる現代は、中央集権型組織ではなく、自律分散型組織が力を発揮することが増えてきています。すべてのメンバーが上下関係なくフラットで、各々の判断や意思決定に基づいて行動できる自律分散型組織の考え方はフットボールチームに置いても高いパフォーマンスを発揮できると考えてます。X1Super昇格というチームミッションのもと、コーチ、選手、トレーナー、スタッフ全員がフラットな立場で、自ら考え、やるべき役割を全うする。PIRATESの目指すチームの形です。
今春からパールボウルトーナメントも再開し、PIRATESも4年ぶりに春シーズンの試合に出場します。昨年からさらにパワーアップしたパイレーツを是非見に来ていただきたいです。
ファンの皆様の応援がいつもチームの力になっております。今後も成長し続けるパイレーツの応援をよろしくお願いいたします。